住宅を長持ちさせるには、まず地震など外部力に対して耐えうるような構造強度を持たせなくてはな
りません。さらに木造の場合は、白アリ、腐朽菌に対して十分な対処が必要です。水を多く使うところ
の防水対策も必要です。また長く住んでいるなかで、設備機器の入れ替えや、設備配管の点検、やり替
えなども必要になってくるでしょう。住宅を長持ちさせ、長く住み続けるためにこれらを、的確にメン
テナンスできるような措置を、長期優良住宅では義務付けています。
 断熱性能の他に、窓など開口部からの日射侵入防止措置を行う必要があります。これは窓ガラスの
性能を上げる、カーテン・ブラインドを取り付ける、庇を取り付ける、など措置を施し対処します。

 先に述べた「仕様規定」ですが、これは建設地域の気候区分と、必要断熱材の性能による厚みを一覧
表にしたものです。建物の大きさには関係なく、「この地域では、この性能の断熱材をこれだけ入れて
おけば足りる。」という数値をチャート式に割り出したものです。省エネルギー性(建物の断熱性能)
の評価方法は、「建物の中の面積に対して建物の中の熱がどれだけ逃げるのか、もしくは外部の熱がど
れだけ入ってくるのか」ということを検証することですから、建物の大きさによっても変わってきます。
また外壁に比べ窓からの熱の出入りのほうが、とてつもなく大きいですから、窓の個数、大きさによっ
ても変わってくるはずです。仕様規定は、それらを踏まえた余裕をもった数値と言えると思います。
 そこでもうひとつの検証方法、計画建物に対して熱損失係数を計る方法があります。いわゆるQ値計
算です。 壁、屋根、窓などの開口部、基礎、換気による熱損失が実際の計画の建物にどのように影響
を及ぼすかの計算ですから、総合的に断熱計画を行うことができます。たとえば窓が大きくなれば、壁
などの断熱材を厚くしなければならないし、また同じ窓の大きさなら、サッシの性能を上げれば、断熱
材の必要厚さは薄くなる傾向になります。また床面積など建物の規模や、形態にも左右されます。
 使用しなくてはならない断熱材の種類、厚さ等については法律(建築基準法)では明確な表記がされ
ていません。そこでいままでひとつの目安となったものが、住宅金融支援機構 フラット35(旧住宅
金融公庫)標準仕様書に記載されている仕様規定基準でした。長期優良住宅の技術規定(=住宅性能表
示制度 省エネルギー対策等級4)にも、仕様規定による断熱材の厚みが記されていますが、フラット
35の一般住宅の規定と比べると厚みが2〜3倍以上厚くなります。あまり厚くなるようであれば、断
熱材の性能を上げて厚みを抑えたり、建物自体を断熱材ですっぽりと包む、断熱構造的に有利な外張り
断熱工法を選択するのも方法の一つです。


 構造を意識しすぎて、希望の間取り、デザインが叶わないというのも残念な話ではありますので、まず
は希望の間取りを固めたうえで、構造強度を一度確認し、必要に応じて耐力を向上させる方法を探ってい
くのがよい方法ではないでしょうか。長期優良住宅では、この耐震等級は2でいいのですが、いろいろと
方法を考えて最等等級3を狙ってみるのも良いかもしれません。

 木造建築物の構造耐力を確かめる方法は、大きく分けて
「壁量計算」と「許容応力度計算(構造計算)」があります。
(3階建ての場合は構造計算のみ) 建築物である以上、
このような方法で必ず耐力を確かめなければいけないので
すが、耐震等級を確かめる時も同じ方法を取ります。
 主に木造住宅の耐力は、構造上有効な壁(耐力壁)の配
置、量で決まってきます。最低限求められる構造強度から
さらに、1.25倍、もしくは1.5倍の地震に耐えうるよう設計
するわけですから、その分耐力壁自体の強度を増す、もし
くは耐力壁を増やすなどの措置をして強度を確保します。
 ただし建物の構造強度は建物の大きさ、高さ、形、屋根
材の重さなどが大きく関連し、計画の条件によっては、特
に意識しなくても等級2、もしくは等級3レベルになって
いるということもよくあります。逆に、建物の形状などに
よっては等級2、等級3レベルにするために相当な補強が
必要とされる場合があり、間取り、使い勝手にも影響を及
ぼすケースもあり得ます。
 住宅の断熱、気密、夏期の日射の遮蔽などの対策により、冷暖房に使用するエネルギー効率の向上を
目的としています。本来、住宅の断熱・気密化や、窓からの日射調整は、エアコンのエネルギー効率だ
けに限らず、その方法によって、例えば自然エネルギーを利用した「パッシブ・デザイン」や、建物の
高寿命化にも大きく関わってきます。より良い室内環境を作るには、長期優良住宅(住宅性能表示)の
技術基準を踏まえながら、単に断熱材の厚さやサッシの性能だけではなく、断熱の方法、もしくは窓の
位置、大きさも考慮した、総合的な計画が必要になってきます。